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【環境】タイ工場局 工場監督強化とグリーン転換で産業高度化を推進へ

タイ工業省工場局(DIW)は、タイ国内産業の信頼性と国際競争力を高めるため、工場監督の徹底とグリーン転換の加速を打ち出した。工場局長のプラヨット氏は、今後の重点政策を次のように説明している。

  • 環境や地域社会に悪影響を与える工場を重点的に監視。廃棄物の違法投棄や水処理不備の摘発を強化。
  • 8000カ所の工場を対象に調査を実施しており、今年8月末の時点で全体の64.4%にあたる5154工場を点検済み。
  • 「グリーン産業」認証取得を推進。現在、累計5万221工場が登録済み。目標達成率は91%。

さらに、二酸化炭素排出削減策として「アンモニア・ヒートポンプ」を活用し、食品・飲料業界で年間約4098トンのCO2削減効果を確認。今後は18万3990トン規模まで拡大する見通しだ。

政権が交代しても投資促進政策は一貫しており、外資・日系企業にとって事業計画の大幅変更の必要ない点はタイ投資のプラス面となっている。

フリーゾーンにおける違法活動摘発強化

工場局はフリーゾーン(自由貿易区)における違法活動の摘発も強化する。倉庫業者や一部工場が税制優遇を悪用して無許可操業を行い、安全や環境に深刻な影響を及ぼしているためだ。この対策として、工業団地公社、工業規格局、税関とデータを連携し、輸出入や操業許可を精査する仕組みを導入した。

新規・拡張許可件数は898件(1~7月)

2025年1~7月の工場の新規・拡張許可件数は898件、総投資額は1204億1800万バーツ、雇用創出は3万1045人に達した。主な投資分野は以下の通りである。

  • 新規:電気機器、機械、食品、金属製品、プラスチック
  • 拡張:自動車・部品、食品、金属、飲料、印刷関連

日系企業にとって、自動車・電機・食品など既存分野での投資拡大の余地が大きいことを示している。

デジタル化推進する工場局

工場局はデジタル化も進めている。2026年度に約20億バーツを投じて「デジタルプラットフォーム」を構築し、工場、機械登録、有害物規制をオンライン化する。狙いは以下の通り。

  • 行政手続きの迅速化と透明性確保
  • 工場監督の効率向上
  • 産業4.0推進の基盤整備

この措置は企業にとって申請や監査の効率化につながり、時間・コスト削減効果が期待できる。

産学官連携で工場高度化と中小企業競争力強化

さらに、国家科学技術開発庁(NSTDA)、商務省事業開発局、工業団地公社、中小企業振興機構、タイ工業連盟(FTI)、デジタル経済推進庁などと以下のMOUを締結。工場の高度化と中小企業の競争力強化を同時に図る体制を整える方針だ

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