【政治】タイ・カンボジア国境問題 ASEAN事務総長が対話継続を強く呼びかけ
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タイとカンボジアの国境問題をめぐり、ASEAN(東南アジア諸国連合)のカオ・キムホン事務総長は、両国が外交レベルでの対話を一段と深めるべきだとの考えを示した。フィリピンで開かれた第10回ASEANメディアフォーラムに合わせて地域メディアとの会合に出席し、フィリピンが議長国を務めた2026年のASEANの主要な成果について説明した。
タイ・カンボジア間の国境対立は2025年7月に激化し、双方で多数の死傷者が出たほか、26万人を超える住民が避難する事態となった。同年12月に停戦が成立したものの、国境線の画定は依然として完了していない部分が多く、緊張が再燃するリスクは継続。両国は経済的な相互依存が深く、対立の長期化は双方の経済に無視できない打撃を与えるとの分析が国際機関からも示されている。ある試算では、3カ月間の紛争による両国合計の経済損失は1817億バーツに上る。
紛争の影響で、カンボジアのタイからの輸入額は2024年の34億米ドルから2025年には29億2000万米ドルへと減少し、カンボジア側は中国など他国からの調達へ切り替える動きを強めた。国境貿易は事実上停止した時期もあり、燃料や農産品、建材などタイからの輸出に依存していた業種は打撃を受けている。両国間の労働者移動が制限されたことで、タイ国内で労働力を頼っていた業種に人手不足の影響が直撃。タイの出生率低下で労働力不足が進む中、カンボジア人労働者への依存度はむしろ高まっている構図だ。
タイとカンボジア双方に生産拠点や取引先を持つ日系企業にとって、国境地域の安定は物流やサプライチェーンの安定に直結する。停戦の持続性や、労働者の越境移動の再開時期などは、今後の事業計画を左右する重要な確認事項として注視が必要だ。
