【経済】米金融大手BofA 「タイ経済は限定的かつ不均一な回復にとどまる」

米大手金融機関バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、タイ経済について「回復は限定的で不均一な状態が続く」との見方を示した。同社の投資銀行部門であるBofAセキュリティーズが公表した調査リポートによると、タイ経済は段階的に持ち直しているものの、今後2年間は潜在成長率とされる2.5〜3%の水準に届かない公算が大きいという。
電子機器の輸出が好調を維持している一方、タイ国内の生産活動は勢いを欠いており、付加価値の高い分野への波及も限られている点を同社は課題として挙げた。エネルギー価格の変動や供給リスクも、回復の重しになっているとの分析だ。
タイ経済を巡っては、中東情勢の緊張や原油価格の変動が輸入コストを押し上げ、内需の重荷になっているとの指摘が続いてきた。今回のBofAの分析は、こうした構造的な課題が短期間では解消しにくいことを改めて示している。
一方で電子機器やデータセンター関連の投資は堅調であり、産業別のばらつきが大きいこともタイ経済の特徴だ。タイに進出する日系企業にとっては、輸出関連分野の底堅さと内需の弱さという二面性を踏まえた事業計画の見直しが求められそうだ。為替や金利動向とあわせて、今後の政府による景気対策の内容にも注目が集まる。
BofAセキュリティーズはさらに、タイ国内の生産活動が伸び悩む背景として、部品や素材の多くを輸入に頼る構造を指摘。このため、原材料価格が上がれば、その負担がそのまま企業のコストに跳ね返りやすい体質となっている。
半導体やデータセンター関連への投資が増える一方、既存の製造業では設備投資に慎重な動きもみられ、産業構造の転換期にあるとの見方も示された。こうした状況を踏まえ、日系企業としては輸出向け生産に強みを持つ分野への投資機会を探る一方、内需依存度の高い事業については需要動向を丁寧に見極める必要がありそうだ。
