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【経済】タイ政府、SMRによる原子力発電の規制方針に国際基準適用へ

タイの平和的原子力エネルギー委員会は、小型モジュール炉(SMR)による原子力発電の規制方針について、国際原子力機関(IAEA)の国際基準に沿った枠組みを承認した。ヨットチャナン高等教育・科学研究イノベーション相が委員長を務め、電力開発計画の見直し方針と歩調を合わせて、国としての準備を前倒しで進める狙いがある。

IAEA基準に基づく準備状況評価では、19項目のうち10項目で準備が整っている一方、6項目は追加整備が必要とされ、残る項目でも本格的な取り組みが求められている。政府は、SMRの導入がポンプやバルブといった高性能部品、放射線に耐える建材、送配電網の統合技術、AIを使ったデジタルツインなど幅広い産業に波及すると見ており、タイ産業界が単なる技術の買い手にとどまらず、価値を生み出す担い手へと成長する好機と位置づけている。

日系の重電メーカーや素材メーカー、エンジニアリング会社にとっても、規制の枠組み整備と歩調を合わせてサプライチェーンへの参入機会が生まれる可能性があり、今後の規制の詳細や認証制度の設計を注視しておくことが必要だ。

タイでは近年、データセンターやAI関連産業の急拡大に伴う電力需要増加が深刻な課題となっており、政府は再生可能エネルギーだけでは供給力に限界があると考えているようだ。SMRは天候に左右されず安定した出力を確保できる「ベースロード電源」として位置づけられており、送電網の混雑を招きにくい分散配置も利点とされる。

もっとも、国内の理解醸成や、廃棄物処理を含む安全規制の整備には相応の時間がかかるとみられ、商業運転開始までには数年単位の準備期間が必要になりそうだ。日系企業にとっても、将来の電力調達選択肢の一つとして、政策の進展を長期的な視点で見守る価値がある。

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