タイ証券取引所(SET)は、次世代産業と位置づける新興10業種、および海外上場企業の上場基準を改定した。9月11日付で施行済みである。2026年から2028年までの3年計画に基づく取り組みの一環で、証券取引委員会(SEC)の承認をすでに得ている。SETは今回の計画で「誰もが機会を得られる、信頼される玄関口」とのコンセプトを掲げており、成長産業の呼び込みを重点課題としている。
対象となる新興10業種は、先端農業・食品、バイオ燃料・バイオ化学、医療・健康関連技術、体験型観光、次世代自動車、航空・物流、デジタル・イーコマース、スマート電子機器、ロボティクス、バイオテクノロジーやデジタル技術などを含む技術革新分野である。これら成長産業に該当する企業は、財務基準や設立年数の要件が緩和され、上場申請の垣根が低くなる。あわせてタイ投資委員会(BOI)や東部経済回廊(EEC)の投資奨励を受けた企業向けに、優先審査を行う「スペシャルトラック」制度も新設した。海外の証券取引所にすでに上場して資金調達実績のある外国企業については、セカンダリー上場の基準を適用できるよう規定を見直し、タイ市場への追加上場を後押しする。SETは今回の改定を、資金調達の窓口としての魅力を高める狙いだと説明している。
今回の改定は、既存の重厚長大産業に偏りがちだったタイ株式市場の構成を、次世代分野へと広げる狙いもありそうだ。上場企業の裾野が広がれば、タイの資本市場全体の厚みが増し、投資家の選択肢も広がることが期待される。

