【不動産】日本の耐震技術が東南アジアの建築安全性強化に貢献
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ミャンマーで発生した地震は建物の「パンケーキ崩壊」を引き起こし、構造的脆弱性を浮き彫りにした。バンコクでも中国企業が建設中だった約30階建てビルが崩壊、100人近くが死亡または行方不明となった。一方で、大林グループのタイ大林が施工した29階建てビル「O-NES TOWER」は構造体を含めて大きな被害がみられなかった。このビルはタイの新たな耐震基準を先行して導入して耐震性・耐火性を高めてる。
地震後、タイ内務省は日本政府に耐震助言を求め、国土交通省が専門家を派遣。日本は阪神淡路大震災を契機に世界最高水準の耐震基準を確立し、免震・制震技術を実用化してきた。
インドネシア・ジャカルタでは三菱地所や森ビルが参画する高層ビルに日本の耐震設計が採用。フィリピンでも伊勢丹三越や野村不動産が開発する複合施設に制震ダンパーが導入されている。さらに住友ゴムの技術は歴史的建築物の保全にも活用されている。
世界の地震死者の約8割は建物崩壊によるものであり、東南アジアで日本の経験と技術を活用する取り組みが広がっている。耐震技術の国際展開は「ゼロ死者」実現への現実的な道筋となっている。
