【投資】エクニティ財務相 「BOI-to-IPO」第1号に日本企業を 上場優遇
エクニティ副首相兼財務相は10月7日、投資委員会(BOI)がバンコクで開いた「タイ・日本投資フォーラム2026」で、BOIの恩典を受けた企業のタイ株式市場への上場を後押しする新制度「BOI-to-IPO」を日本企業に売り込んだ。JETRO幹部に、制度を使って上場する第1号を在タイ日本企業にしてほしいと要請したことも明かした。
BOI-to-IPOは、BOIとタイ証券取引所(SET)が共同で設計を進める制度。投資の恩典を受けた企業が、新規株式公開(IPO、株式を初めて市場で売り出し資金を集めること)でタイ国内から資金を調達しやすくする。審査を早める「ファストトラック」や「スーパー・ファストトラック」を設け、追加の優遇策も用意する方針だ。なお、対象となる市場や条件は、協議が続いている。
財務相は、投資主導の成長に向けた4本柱として、「資本市場の活用」に加え、「7つの重点産業での新規投資」、「クリーンエネルギーの整備」、「国際的な炭素クレジット市場の準備」、「AIの普及」と挙げる。AI関連では、データセンターや光トランシーバー、先端半導体といった関連産業を育てると同時に、企業や国民の利用を広げる。
BOIのナリット事務局長によると、日本企業による投資申請は過去5年で1300件超、4000億バーツ近くに上る。年間の投資額は直近3年で4位だが、累計では最大の投資国となる。ホンダ、三菱自動車、マツダ、いすゞの4社は、今後5年で計500億バーツを超える追加投資を計画。BOIは約500件の地域統括本部の設立を認可しているが、その4割に日本企業が関わる。事務局長は、タイに工場を持つ6000社超の日本企業に対し、地域統括本部や研究開発拠点の設置を検討するよう呼びかけた。
上場が実現すれば、日系子会社はタイ国内で成長資金を得る新たな手段を持つことになる。
