【車両】タイ9月の自動車生産6%減、ピックアップ不振でFTIがローン緩和を要請
タイ工業連盟(FTI)は10月27日、9月の自動車統計を発表した。国内生産は12万319台で、前年同月比6.08%減に留まった。輸出向けが8万1068台(同7.09%減)、国内向けが3万9251台(同3.91%減)と、いずれも前年を下回っている。チョンブリ県のアマタシティ工業団地周辺などで起きた洪水の影響で、9月下旬から10月中旬にかけて部品不足や従業員の通勤難が生じ、複数の組立工場が一時停止に追い込まれたことが影響した。1〜9月の累計生産は108万30台で、前年同期比0.39%増とかろうじてプラスを保った。
一方、国内販売は5万5255台と前年同月比で14.28%増えた。けん引役は電気自動車(BEV)で、乗用車販売は1万6404台と80.13%の大幅増を記録。対照的にエンジン車は7776台と14.50%減となった。
懸念材料はピックアップトラックだ。国内販売は1万315台と同7.11%減。FTIは金融機関の審査厳格化や家計債務の高さを主な理由に挙げ、政府に対してローン条件の緩和を銀行へ働きかけるよう求めた。エンジン式ピックアップは部品の最大9割を国内で調達しており、ラジエーターや排気系、シートなどの部品生産はすでに30万点以上減ったという。自動車産業の裾野は2500社超、雇用は80万人を超えており、影響は販売店や金融機関、税収にまで及ぶ。
中東向けのピックアップ輸出も1〜9月に37.73%減と落ち込んだ。ホルムズ海峡の封鎖などが響いた形だ。それでもFTIは、10月中旬には全工場が通常稼働へ戻ったとして、2026年の生産目標145万台(輸出90万台、国内55万台)を据え置いた。FTIは7月に目標を150万台から引き下げている。日系メーカーが主力とするピックアップの国内市場が冷え込むなか、部品各社には受注減への備えが求められそうだ。
