【IT】タイがデータセンター規制案、冷却水80%再利用を義務化 既存施設も対象

タイ内務省が、データセンターの建物を規制する省令案をまとめた。財務相を兼ねるエクニティ副首相が率いる「データセンター政策委員会」に提出し、11月27日の会合で審議される見通しだ。建築管理法に基づく省令で、官報掲載の180日後に施行される。
対象は、消費電力が0.5MW(メガワット)以上の施設。電力の規模や非常用燃料の量に応じて7つの区分に分け、それぞれに基準を設ける。小規模な施設は敷地の境界から6〜3m、大規模な施設は10〜5m以上離して建てる必要がある。
省令案で最も細かく定めたのが冷却水の扱いだ。冷却塔から排出される水を処理し、毎月の排水量の80%以上を補給水として再利用するよう求めた。再利用しない分は環境基準を満たすまで処理しなければならず、きれいな水で薄めて流すことは禁じる。メーターを設置し、水量や水質、汚れの量を毎月報告することも義務づける。
安全面の基準も厳しい。建物の骨組みや壁は燃えない素材とし、他の用途と区切る壁には2時間以上の耐火性能を求める。停電時に2時間以上動く非常用電源と、施設全体をカバーする自動消火設備の設置も義務となる。民間の施設には、第三者への損害に備えた保険の加入を課す。
すでに稼働している施設は、建物の配置や構造の基準を免除される。ただ、防火設備や非常用電源、環境対策の改修と保険加入は1年以内に済ませる必要がある。
背景には、データセンター投資の急増がある。地方配電公社によると、2026年9月までに全国で100社超が計2万6000MW超の電力供給を申し込んだ。BOI(タイ投資委員会)は優遇の条件として、専門職や管理職の50%以上をタイ人とすることも求めている。
建設や設備、水処理に関わる日系企業にとっては、新たな需要が生まれる一方、設計や運営のコストが膨らむことになりそうだ。審議の行方を注視したい。
