【商業】タイのペットフード輸出が世界2位 米国主導で需要増 25年も伸長続く
広告
タイのペットフード輸出が2024年に世界2位となった。輸出額は850億バーツ規模で、前年比29%増と大きくふくらんだ。主導したのは米国市場である。高齢化や単身世帯の拡大、いわゆるペットの家族化が進み、健康志向や高たんぱくなどプレミアム製品への支出が伸びた。タイは加工の熟練と国際規格への適合力で評価が高く、需要の波を確実に取り込んだ格好である。
市場構成と今後の焦点
主要仕向けは米国で、金額・シェアともに最大。また、EU向けも前年比47%増と勢いが強く、イタリア、ドイツ、ベルギー、フランス、オランダがけん引した。日本向けは12.3%の比率で、安定した高付加価値フードの市場となっている。
2025年1~7月も輸出は16億米ドル台に乗せた(米国は26%増)。
環境対応では、再生材パッケージや省エネ製造への要求が各市場で高まっている。製品面では、高齢ペット向けや機能性成分に焦点が集まり、小分け・簡便調理といった生活目線の工夫が評価されている。
課題は原料の内製度と研究開発だ。各国の原産地要件や表示基準は厳格化の流れにあり、国内素材の比率や加工工程の透明性が競争力を左右する。為替については、バーツ高が続くとドル建て売上が目減りするため、為替予約や複数通貨建て契約の導入がリスクを下げることが必要だ。
