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【食品】マコーミックがタイ展示会で辛味の革新を前面に 若者主導の新味覚市場狙う

米国を代表する調味料メーカーであるマコーミックが、バンコクで開催された食品展示会「Food Ingredients Asia 2025」に出展し、辛味の革新を前面に打ち出した。同社調査によれば、アジアの若年層は辛味を単なる食嗜好でなく自己表現と冒険の手段と捉え、インスタント麺やスナック、調味料で新しい辛さを求めているという。

タイでは辛さは文化の一部であり、単に唐辛子の強度よりも味の深みや複雑さを重視する傾向が強い。調査では、タイ消費者の74%が辛さに旨味や酸味、甘味を組み合わせることを好むと回答した。なお、インドネシアは甘辛、ベトナムは酸辛が支持され、地域ごとに特徴が異なる。

マコーミックは今回、独自開発の「ヒートホイール」を披露。これは辛味を味覚プロファイルと感覚体験の2軸で可視化するツールで、食品メーカーが消費者志向を把握しやすくするものだ。

展示では、麻辣火鍋ポテトチップスや韓国チゲ、宇治わさびコロッケなど新商品が紹介され、辛味と多層的風味を融合したラインナップが注目を集めた。また初の甘味ポートフォリオとして「マンゴースティッキーライスコーヒー」なども発表した。

マコーミックは2000年から「フレーバーフォーキャスト」を通じ市場予測を行い、データを駆使して製品開発を続けてきた。アジアでは麻辣や韓国風が急伸しており、タイでもトムヤムやガパオに並ぶ人気となっている。

「Flavour Made Simple」キャンペーン展開

同社はタイで「Flavour Made Simple」キャンペーンを展開。有名シェフやインフルエンサーを起用して利便性と味わいを訴求している。グローバル売上は67億㌦を超え、150カ国で事業を展開しており、タイ市場でも影響力を強めている。

なお、英国本社の市場調査会社であるユーロモニターの2025年調査では、タイのスナック市場は年間成長率6%で推移し、そのうち「辛味系」の新商品が全体の3割を占めている。若者消費者層の拡大がその背景にある。

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