【製造】タイ8月製造業生産指数4.19%減 輸出鈍化とバーツ高で景気下押し
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タイ工業省は9月28日、8月の製造業生産指数(MPI)が前年同月比で4.19%減少したと発表した。市場予測の2%減を大きく下回り、7月の3.98%減に続いて2カ月連続の落ち込みとなった。要因としては、自動車産業の減速、輸出鈍化、観光客数の減少、さらにはバーツ高が挙げられる。
同省工業経済局のパサコン局長は記者会見で「前年比4.19%減は深刻な落ち込み」と強調した。同省は2025年のMPI予測を従来の0〜0.5%増から下方修正する方針だ。
タイ商務省によると、8月の輸出は前年比5.8%増にとどまり、ここ1年で最も低い伸び率となった。米国がタイからの輸入品に対して19%の関税を課したことが影響している。以前発表されていた36%からは引き下げられたが、依然として輸出に打撃を与えている。スパジー商務相は「年内に米国との相互課税協定を締結する」と議会で表明。日本やシンガポール、南アジア、中東市場との貿易拡大、EUや韓国とのFTA交渉加速を進めるとした。
一方、国家経済社会開発評議会(NESDC)は2025年の経済成長率を1.8〜2.3%と予測しているが、米国関税の影響による下振れリスクはありうる。なお、2024年の成長率は2.5%にとどまり、近隣諸国よりも低かった。
