【経済】タイ商務省が7大政策を発表 貿易促進と生活支援を迅速に展開

スパジー商務相は9月末の政府方針演説を受け、同省幹部や在外公館の通商担当官に向けて「Quick Big Win」と名付けた7つの重点政策を発表した。これは即効性のある経済効果を狙いつつ、中長期の基盤づくりを進めるものだ。

７本柱は以下の通り。

①米国との貿易交渉（12月までに相互通商協定締結を目指し、原産地証明の完全デジタル化を推進）

②タイ・カンボジア国境貿易の支援（物産展や郵便局経由の格安輸送など）、③自由貿易協定（FTA）締結と新市場の開拓（中東・南アジア・ASEANでの買い手と売り手マッチング強化）

④生活費抑制策（低価格フェア開催、医薬品価格開示など）

⑤農産物価格安定（低利融資や輸出拡大、1ライ当たり1000バーツ支援）、⑥中小企業支援とタイ製品価値向上（輸出市場開拓や品質認証）

⑦規制改革とテクノロジー活用（AIによる需給分析、越境ECの推進）

商務省はこれら施策により年間500億バーツ超の国民負担軽減、輸出拡大による外貨収入確保、中小企業の競争力向上を見込む。背景には国際市場の不確実性と国内消費の停滞があり、迅速な実行が景気回復のカギを握る。