【製造】中国Homaがタイに300億円投資 冷蔵庫新工場設立で3000人雇用
タイ投資委員会(BOI)は、中国の大手冷蔵庫メーカー「Homa(ホーマ)」による約30億バーツ規模の投資計画を承認した。Homaは世界第4位の冷蔵庫・冷凍庫メーカーであり、中国国内では最大の輸出企業でもある。今回の進出により、タイ東部チョンブリ県アマタシティ工業団地にスマート冷蔵庫と省エネ型冷凍庫の新工場を設立する。
同工場は年間170万台規模の生産能力を持ち、主に欧州市場向けの輸出拠点として機能する予定である。初期段階で1400人の雇用を創出し、1~2年以内に3000人規模へ拡大する見通し。さらに部品調達の50~60%をタイ国内で行う計画を掲げ、現地サプライチェーンとの連携を強化する。
世界市場での競争力強化
HomaはElectrolux、Samsung、Sharp、Whirlpoolなど世界的ブランドへのOEM供給実績を持つ。同社はグローバル市場で急拡大する「スマート家電」需要に対応し、2025年から年間120億バーツ相当の輸出を見込む。世界のスマート家電市場は現在1.2兆バーツ規模だが、2034年には2.6兆バーツに達すると予測され、年平均9%の成長が期待されている。
ナリットBOI事務局長は「タイには既にSamsung、LG、Electrolux、Haier、Hisenseなどが拠点を置いており、Homaの進出はタイがアジアにおける家電製造拠点としての地位を再確認するものだ」と指摘した。
BOIは今後も国内部品メーカーとのマッチングや技術提携を進め、タイを国際サプライチェーンの中核に育成する方針。2022年から25年8月までに、家電関連で568件・総額2兆バーツ超の投資申請があり、中国企業だけでも1万2000人以上の雇用を創出している。
Homaの新工場は、タイの輸出競争力を高めると同時に、地域の雇用や技術移転を促進する効果が期待されている。
