【資源】タイ石油大手バンチャーク、合成燃料開発でENEOSと連携強化
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タイ石油大手バンチャークが、化石燃料に代わる合成燃料「e-fuel」の研究開発で協力企業を募集している。同社はまた、横浜のENEOS(エネオス)実証施設を視察し、日本の先進事例から学ぶ姿勢を示す。
e-fuelは再生可能エネルギー由来の電力を使い、水素と二酸化炭素を合成して得られる合成炭化水素燃料。既存の内燃機関車両で利用できるため、移行期の代替燃料として注目される。
バンチャークは新規事業・イノベーション予算3000万ドルの一部を投入し、研究施設建設を計画。さらにタイの高等教育・科学・研究・イノベーション推進事務局から資金援助を受ける方針だ。
高コストが課題
現在、ENEOSは横浜で試験プラントを稼働させ、日量1バレル(159リットル)のe-fuelを生産し、大阪・関西万博のシャトルバスで試験利用している。ENEOSの専門家は「2040年以降、e-fuel価格は石油と競合可能になる」と見込む。
ただし現時点では化石燃料の4倍のコストがかかるとされ、価格低下が普及の鍵となる。バンチャークはまた、持続可能な航空燃料(SAF)の試験生産も進めており、再エネ燃料の多角化を通じて脱炭素社会への貢献を狙う。
タイ政府も2050年のカーボンニュートラル達成を掲げており、今回の取り組みは官民連携の重要な一歩と位置づけられる。
