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【不動産】バンコクのコンド市場回復は2027年以降に 需要低迷続く見通し

不動産コンサルタントのクッシュマン&ウェイクフィールド・タイランドは、バンコクのコンドミニアム市場が本格的に回復するのは2027年になるとの見通しを示した。2026年前半に予定される総選挙までは景気回復が鈍く、住宅需要も低迷が続くと予測する。

同社リサーチ責任者のスラチェート・コンチープ氏によると、開発業者は2026年まで慎重姿勢を維持する見通しであり、「選挙によって経済への信頼感が回復するまでは、新規プロジェクトの販売戦略は一部様子見となる」と述べた。

ローン審査厳格化が最大の課題

2025年初から9カ月間の新規発売戸数は1万3504戸で、前年同期比で横ばいにとどまった。年末までに約1万7000戸に達する見込みであるが、開発業者の多くは、すでに完成済みで引き渡し可能な在庫物件の販売に注力しており、在庫物件は数万戸、総額にして1000億バーツ超に達している。

最大の課題は購入者の住宅ローン審査の厳格化。銀行は個人の信用情報だけでなく、勤務先企業の財務状態や同僚の返済履歴まで考慮するケースもあり、融資承認が得にくくなっているという。さらに、少子高齢化による人口減少が需要を押し下げており、今後は国内需要だけでは市場を支えきれない状況という。

外国人購入者に活路

そのため、開発業者の多くは中国人を中心とする外国人購入層への販売に力を入れている。現地販売代理店との提携や海外展示会での共同販売を通じ、2026年には中国市場の需要回復を期待する声が出ている。安全面への不安が和らいだことで、中国人投資家の関心は再び高まりつつあるとされる。

クッシュマン社の調査によれば、2025年第3四半期のバンコク新規供給は6618戸で、平均販売価格は前期の平米8万9500バーツから13万1419バーツへと上昇。新築物件の多くはBTSなどの高架鉄道沿線に集中し、開発各社は正式販売前に一部階層を「ソフトローンチ(限定販売)」して市場反応を探る戦略を採っている。

スラチェート氏は「現在のコンド市場はもはや発売時の即完売を狙う段階にはない。開発業者は中長期的な販売戦略へと舵を切りつつある」と指摘する。

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