【政治】国境覚書破棄の是非 アヌティン首相が国民投票実施を再確認
広告
タイ政府は、カンボジアとの国境紛争の激化を受け、過去に締結した2本の覚書(MOU)を破棄する方針を検討している。アヌティン首相はこのほど、国民投票を実施して国民の意思を問う考えを改めて表明した。
首相は中核与党・タイ威信党の本部で、議会での所信表明演説に基づき投票を実施すると説明。タイを不利な立場に置く合意を「見直さなければならない」と述べた。
このMOUは2000年と2003年に調印され、国境線画定に関する共同調査の枠組みを定めたもの。近年、プレアビヒア遺跡周辺の領有権を巡る緊張が再燃しており、政府は国民の信任を得て再交渉に臨む構えだ。外交省は「対話を維持しつつ、国家主権を守る」との立場を強調している。
一方、専門家の間では、MOU破棄がASEAN域内の信頼関係や投資環境に影響を及ぼす可能性を指摘している。
