【貿易】相互貿易枠組み交渉での影響は限定的 タイ商務省「米国輸出は当面堅調」
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商務省貿易政策戦略局(TPSO)は10月28日、米国との相互貿易枠組み交渉が今年の輸出パフォーマンスに与える影響は限定的との見解を示した。米国の国内消費回復と利下げ効果を背景に、電機・電子製品の需要が拡大しているためと説明する。
米国は世界最大級の消費市場であり、需要回復はタイ輸出を下支えする。2024年9月の米国向け輸出は前年比35.3%増となり、好調さが際立つ。電子機器・部品は、モバイル端末販売の増加などと相まって伸びをけん引した。
競争力維持と市場アクセス改善
今回の枠組み交渉は包括的交渉の前段階であり、直ちに関税が変わるものではない。「19%課税」が価格競争力に与える影響はそのままであるが、現行の商流で競争可能とTPSOはみる。一方で、中国向け輸出については伸びは限定的であり、市場依存の分散が課題とも指摘する。
国家経済社会開発評議会(NESDC)は、米国景気の持続性や地政学リスクを注視する必要性を指摘する。また、タイ中央銀行(BOT)は為替変動の採算への影響に警戒するよう促す。輸出企業は多様なシナリオに備え、価格・契約戦略の柔軟性を高める必要があるとのことだ。
