【商業】中国製品流入で対中赤字拡大懸念 米国関税政策の影響
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米国による「トランプ関税」(相互関税措置)が8月7日に発効し、中国製品への追加関税が30%に引き上げられた。これに伴い、行き場を失った中国製品がASEAN諸国に流入しており、タイ経済への影響が懸念されている。
国際経済専門家のアット氏によれば、中国は生産規模を維持しており、米国向け輸出が減った分を東南アジアや中東、アフリカへ振り向けている。タイはベトナム、マレーシアに次ぐ主要流入国となる見通しだ。
特に流入が見込まれるのは以下の品目の通り。
- 通信機器・ネットワーク関連部品
- 自動車(完成車および部品)
- コンピュータと周辺機器
アット氏は「今後3年間で中国製品の流入は過去10年で最大規模になる」と指摘。政府には以下の対策を求めている。
- 中国製品の早期警戒システム構築
- 原産地規則の透明化と米国との追跡システム連携
- 品質・基準を満たさない製品の輸入規制強化
- 中小企業(SME)の競争力強化基金の設置
国家経済社会開発評議会(NESDC)のドヌチャ書記長も「米国の需要減少はタイ輸出に悪影響を及ぼす」と警鐘を鳴らす。特に家電・通信機器、電子・自動車部品が市場シェアを失うリスクが高いという。
米中交渉は11月10日まで延長されており、結果次第では中国製品の流入が当初予測を超える可能性もある。輸入急増と米国の40%関税リスクが重なれば、タイの製造業と貿易収支に深刻な影響を与える恐れがある。
