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【IT】農業省、スマート農業拡大へ新基金 AI・IoT導入で生産効率倍増へ

タイ農業・協同組合省(MOAC)は、AIやIoTを活用したスマート農業導入を全国規模で推進するため、新たに「スマートアグリ基金」を創設する。初年度予算は50億バーツで、灌漑・センサー技術・ドローン・精密肥料散布などへの導入を支援。政府は2030年までに農業生産性を2倍に引き上げる目標を掲げる。

同基金は農家への補助金と無利子融資を組み合わせたもので、各県の農業・農業協同組合銀行(BAAC)が運用を担う。初年度はチャイナート、ナコンサワン、スリンの3県をモデル地域に指定し、コメ・トウモロコシ・果樹栽培でAI分析を導入する。

農業情報センターによると、スマートセンサーの活用により灌漑コストを最大30%削減でき、収穫量も平均18%増加する。タイは農業労働人口が全体の28%を占める一方、高齢化が進み、平均年齢は54歳に達する。自動化技術の導入は避けられない。

農業省はまた、BOIと連携してスマート農業関連機器への投資優遇措置を強化する。輸入機械関税免除や法人税控除を適用し、国内製造を後押しする。民間企業も参入を拡大しており、カセサート大学とHuawei Thailandは共同で「AIファームラボ」を設立。作物データ分析と自動収穫ロボットの開発を進めている。

政府系シンクタンクの国家経済社会開発評議会(NESDC)は「農業のデジタル化は食料安全保障と輸出競争力を左右する」と強調。持続可能な農業モデルの確立を政府に提言している。

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