【三面】タイ東北部の幼稚園で5歳児が感電死 教育施設老朽化への対応に遅れ
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タイ東北部ブリラム県ノンスワン郡で先ごろ、幼稚園のグラウンドで遊んでいた男子園児(5)が感電死する事故が起きた。その場にいた関係者が蘇生措置を施したものの、搬送先の病院で死亡が確認された。漏電していた照明灯に触れたことが原因とみられている。
事故が起きたのは園内に設置された照明設備付近とされ、警察と地元行政は電源管理や設備点検の状況について調査。学校施設での漏電事故は、配線の老朽化や修繕予算の不足、業者委託の不統一など、複数の要因が重なることで起きるケースが大半だ。
タイ教育省によれば、全国の公立学校施設のうち、築年数30年を超える建物は全体の約40%を占めており、電気設備の維持管理は慢性的な課題になっている。特に地方部では、定期点検が形骸化していることや、設備更新が先送りされることで、事故リスクが高まっている。
今回の事故を受け、SNS上では「予算よりも安全が優先されるべきだ」「点検体制の透明化が必要だ」といった声が相次いでいる。政府はこれまでも学校施設の老朽化対策を掲げてきたが、地方自治体との間で、権限配分や予算執行速度が統一されておらず、対応が遅れていた。
