【政治】タイ威信党が支持基盤拡大中と強調　野党は政府の実績欠如を争点に

中核与党・タイ威信党を率いるアヌティン首相は11月23日、来年早々に実施が見込まれる総選挙に向け、同党が複数の政治グループや有力一族を傘下に取り込み、支持基盤を拡大していると述べた。同首相チームはすでに選挙準備を加速させている。

タイでは、地方の有力一族（政治一族）が選挙結果に大きな影響を与える構造が続いており、政党がこうした勢力を取り込むことは勝敗を左右する要因となる。今回の発言も、地方組織の取り組みが順調であることをアピールする狙いがあるとみられる。

一方、野党側は政権運営への不満を背景に攻勢を強めており、与党に対する支持の行方は予断を許さない。世論調査では、経済回復の遅れ、物価上昇、治安不安などが有権者の主要関心事として挙がっており、政府の実績が問われる局面にある。

タイ威信党が連立内で主導権を維持するには、政策実行力を示すことが不可欠であり、選挙準備が進む中、首相が支持の拡大を強調した今回の発言は、政権の求心力維持に向けたメッセージといえそうだ。