【三面】オンライン投資詐欺で1160万バーツ被害 指示役のロシア人男を逮捕
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タイ警察は、オンライン投資詐欺の指示役としてロシア人の男(34)を逮捕した。男は女性実業家から1160万バーツを騙し取った詐欺グループの背後で指揮を執っていた疑いがあり、警察は通信記録や取引履歴を基に役割を特定した。詐欺は高利回りをうたう典型的な投資名目で、被害者に継続的な資金投入を促していたとみられる。
タイでは近年、SNS広告やメッセージアプリを利用した投資詐欺が急増しており、警察庁は2024年以降「投資詐欺対策特別委員会」を設置して取り締まりを強化。タイ警察庁によると、投資詐欺の年間被害額は数百億バーツ規模に達するとされ、国外からの犯罪組織が関与するケースも多い。
今回の事件でも、国外の銀行口座や暗号資産を経由した資金洗浄が行われていた可能性があり、当局はマネーロンダリング防止局(AMLO)と連携して資金の流れを追跡している。警察は「詐欺グループは複数国に拠点を持ち、組織的に活動している」と指摘。背後に大規模ネットワークが存在する可能性を視野に入れる。
当局は、タイ国内での金融リテラシー向上や、SNS上の虚偽投資広告への規制強化が急務とみており、オンライン犯罪対策を国家的優先事項に位置づける。被害拡大が続く中、国際的な捜査協力の重要性が一層高まっている。
