【商業】タイで拡大する「猫経済」 市場規模は年間約3678億バーツ 「犬経済」を上回る

タイで「猫」を軸にした消費市場が急拡大している。コンベンション運営大手のNCCマネジメント&デベロップメント社は、国内最大級の猫関連見本市「Cat Expo Thailand 2025」を12月5〜7日にバンコクのクイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンター(QSNCC)で開催した。
同社によると、タイの「猫経済」は年間約3678億4000万バーツと推計され、約2268億バーツ規模とされる犬関連市場を大きく上回る。タイ国内では猫を飼育する世帯が約380万世帯、犬は約420万世帯だが、1匹当たりの月間支出は猫が3500〜6800バーツ、犬が3500〜5500バーツと、支出額で猫が上回っている。都市化の進展に伴い住宅面積が縮小するなか、飼育スペースや鳴き声の少なさなどを理由に、犬よりも猫を選ぶ世帯が増えているという。
延べ6000平方メートルのスペースに125社超が出展し、ブース数は250以上。取り扱い分野は、キャットフードやおやつ、シャンプーなどのケア用品、猫用衣料、ペットホテル、各種アクセサリー、動物病院・医薬品、保険サービスなど多岐に渡る。
会期中は、トンネルや袋にもぐるスピードを競うゲーム、視線を合わせる時間を競うコンテスト、迷路からの脱出タイムトライアル、猫じゃらしをたたく回数を競うゲームなど、飼い主と猫が一緒に参加できる多数のイベントが開催。さらに、独特の毛色や模様を評価する「ラッキーパターン・コンテスト」、キュートな模様の猫を対象にした部門、ふくよかな体形を競う部門など、複数のコンテストも実施された。また、会場内には、飼い主と猫の写真撮影ができるフォトスタジオや、トンネルや遊具を備えた「Meow Garden」、飲食コーナー、室内装飾用の観葉植物販売ゾーンなどのほか、カラカルやサーバル、カピバラ、ミニブタ、各種鳥類などを集めた「ペットビレッジ」ゾーンも設置された。
猫が「家族」として位置づけられるなか、関連市場は今後も拡大が続くとみられる。NCC側は「猫を起点にした消費行動は、ペット関連ビジネスだけでなく、交通、EC、金融など周辺分野にも波及している」と強調する。
