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【デジタル】タイ人の旅行傾向 2026年は国内短期シフトが本格化 旅行計画づくりはAIで

デジタル旅行プラットフォームのAgodaが公表した「2026トラベルアウトルック」によると、2026年のタイ人旅行は行き先よりも「時間の使い方」を重視する傾向が強まっている。タイ人の約3分の2が来年は海外より国内を多く旅すると答えるなど国内志向が強まっている。

旅行日数は1〜3日の短期旅行が56%を占め、週末に近場へ出かける「マイクロトラベル」が主流になりつつある。目的は、第一にリラックス、第二に健康・ウェルネス、第三に食体験であり、スパや瞑想リトリートと地方都市の屋台やナイトマーケットを組み合わせる旅が人気だ。Agodaは、こうした動きが二次都市や海辺の小さな町に需要を広げ、国内観光の裾野拡大につながるとみる。

今回の調査では、タイ人の31%が既にAIを旅行計画に使っており、今後は69%が利用すると回答。宿や航空券、観光地の検索、言語翻訳など実務的な用途が中心で、回答者の57%が「AIの提案を信頼できる」と答えた。AIは旅行会社に置き換えるというより、旅程作成を効率化し、個々の嗜好に合った旅を提案する補完ツールとして位置付けられつつある。

調査はアジア9カ国の計3353人を対象に2025年10月に実施され、インドやベトナムなどでも国内志向と体験重視の傾向が確認された。タイ国政府観光庁(TAT)は国内旅行の回数増加が続くと見込み、地方空港や二次都市へのアクセス改善を進めている。物価高や景気不透明感から、長期海外旅行を控える代わりに、近場でこまめにリフレッシュするスタイルが定着しつつある。Agodaは、価格の手頃さとデジタル決済の使いやすさが、国内需要をさらに押し上げる条件になると指摘。日系企業にとっても、健康志向や食文化体験を組み込んだインセンティブ旅行や社員研修をタイ国内で行う事例が増えそうだ。

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