【投資】MRTAがラマ9で初のTOD開発 品川モデルでフワイクワン車両基地を再開発v
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タイ都市鉄道公社(MRTA)が、バンコクのラマ9世通り周辺で計画する初の本格的な商業開発で、日本のトランジット・オリエンテッド・ディベロップメント(TOD)モデルを参考にしたマスタープランづくりを進めている。幹部らは都市再生機構(UR)などを訪問し、品川〜高輪ゲートウェイ駅周辺で旧車両基地を再開発する「Takanawa Gateway City」構想を視察。同プロジェクトは駅とオフィス、住宅、ホテル、商業施設を一体開発し、約5000億円規模の投資で2025〜26年にかけ段階的に完成する計画であり、公共交通とまちづくりを一体で進める代表的事例とされている。
MRTAはこれを手本に、自らが所有するフワイクワン地区のブルーライン車両基地用地を、車両整備機能を維持しつつ医療・ヘルスケア関連施設を核とした複合商業地区に転換することを検討。事業化されれば、土地収益を運賃の抑制や路線網拡充の原資に充てることが可能となり、財政負担を抑えながら鉄道サービスを拡充する新たなビジネスモデルとなる。
起点となるラマ9駅周辺は既に大型商業施設や高層オフィスが集積しており、将来はオレンジライン延伸で結節機能も高まる見通し。駅一体開発で運賃以外の収入源を増やすことは、利用者負担を抑えつつ投資回収を図るうえで不可欠との見方が強く、MRTAが今回のパイロット事業でどこまで民間の創意工夫を引き出せるかが試金石となる。
