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【経済】タイ南部洪水収束、ハートヤイ都市機能回復へ 支援金131億バーツ、県へ統制移管

タイ南部ソンクラ県ハートヤイ郡で広がった洪水は収束し、市内各地区の冠水が解消された。行政サービスやライフラインは通常運用に戻り、当局は災害対応を縮小。内務省所管の災害防止軽減局(DDPM)に設置した指揮本部で状況を再点検したうえで、災害レベルを中規模(レベル2)に引き下げ、現地統制を県へ移管した。

副内相は、復旧担当者が交代制で作業に当たり、延べ6603人と689台の機材を投入したと説明。がれき撤去や道路清掃は13日までに完了段階に入り、廃棄物11万8670トンを搬出し、道路394.3キロを洗浄して住民の帰還に備えた。被災者向けには食料、水、移動式炊き出しを提供。電気、水道、通信などのインフラも復旧している。

政府貯蓄銀行は救済策として9県の146万3476世帯に1世帯9000バーツを送金。総額は131億7000万バーツ超に達した。

ハートヤイはマレーシア国境に近い南部の商業都市で、陸路物流のジャンクション。道路が寸断すれば国境越え輸送や店舗オペレーション、出張者の移動への影響が大きいが、今回は道路清掃とインフラ復旧が急ピッチで進み、周辺の工場や商業施設の再稼働を後押しした。

一方、復旧期は建材や燃料、生活必需品の需要が一時的に増え、価格や配送リードタイムが乱れやすい。日系企業は取引先の在庫、配送ルート、従業員の通勤手段を点検し、同種災害に備えた事業継続計画の見直しも急ぎたい。

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