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【政治】タイ軍、対カンボジア燃料海上輸送遮断案まとめる カンボジア軍の挑発行為がエスカレート

タイ軍司令部は12月13日の司令官会議を受け、タイ湾の主要航路を閉じてカンボジア向けの燃料と軍需品の海上搬送を遮断する案をまとめた。タイ国軍司令部と軍指揮センターが緊急指令を出し、タイ船籍船のほか、タイ人事業者が関与する他国籍登録船による輸送も取り締まる方針だ。

指令の目的は海上補給を封じ、脅威を低下させることだ。燃料・軍需品の違法輸送や輸出に関与した船舶の実質所有者、船団運航者、国際輸送・貿易部門の経営者まで対象とし、国防省と防衛指揮センターに国家安全保障会議(NSC)への付議を急ぐよう求めた。NSCが承認すれば、輸送停止措置を発動させる方針だ。

カンボジア港周辺海域を高リスク区域に指定する案も検討中で、同機関連絡将校が区域を選定しNSCに提案する準備を進めている。

アヌティン首相は、ASEAN議長国マレーシアのアンワル首相から「停戦合意ではなく、午後10時以降の挑発停止を提案しただけだ」とするメッセージを受け取ったとしてSNSに投稿し、領土保全の姿勢を強調した。国境ではカンボジア側がBM-21ロケットや迫撃砲、徘徊型ドローンを投入し、12月8〜14日にタイ兵16人が死亡、約327人が負傷、シーサケート県で63歳の民間人1人が死亡した。タイ軍はカンボジア側の損害を兵221人、拠点51カ所などと推計する。制限が発動すれば、タイ湾の港湾運用や燃料調達、国境物流にも波及することになる。

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