【経済】タイ通貨バーツが4年半ぶり高値 商工会議所が輸出企業にヘッジ徹底を呼びかけ
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タイでは2025年12月15日、バーツが1ドル=31.44バーツまで上昇し、2021年半ば以来の高値圏に入った。タイ商工会議所幹部は、米国でインフレが目標内に収まりつつあることを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めから利下げ局面へ転じ始めた結果、ドル安と世界の金融・貿易市場の変動が拡大していると分析する。また、今後は、米国の雇用統計やGDP、景気後退リスクなどで変動し得るとして、現局面では為替差益を狙うより、フォワード取引などで為替リスクを固定することが現実的だと助言した。
また、海運荷主団体トップは、輸出代金の多くがドル建てである以上、バーツ高は企業収入の目減りに直結すると指摘。為替が1ドル32.5〜33バーツから31.5バーツへ動けば、換算後の収入が約6%減る計算になり、今月の輸出実績にも影響が出る可能性があるという。今後3カ月はバーツ高の続く下地が維持されるとして、中小輸出業者にヘッジの徹底を呼びかけ、中銀には近隣諸国の通貨動向や対応策も踏まえた適切な為替運営を求めた。
