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【車両】タイ損保32社が修理期間の新基準 休車損算定を全国で統一し透明化を推進

タイ損害保険協会(TGIA)は、自動車保険の事故修理に関し、修理に要する標準期間を共通化する枠組みを整備した。協会は損保32社と覚書を締結し、車を使えない期間の補償(ロス・オブ・ユース)の算定を、明確で検証可能な基準で統一する。従来は保険会社ごとに判断がばらつき、支払いの説明が難しいケースがあった。

新基準は、実際の修理工程を反映する形で目安日数を示し、被保険者に不利にならない公平性と、保険金支払いの迅速化を狙う。TGIAは加盟社と協議を重ね、全国の修理工場から実作業データも共有して基準を作ったという。保険会社は今後、修理遅延の理由や必要部品の手配状況などを、より透明に説明することが求められる。損保業界は近年、苦情対応や信頼回復が課題となっており、統一基準は消費者保護の強化策の一環となる。
自動車を業務で使う企業にとっても、代車手配や休車損の扱いが見通しやすくなり、事故後のコスト管理を助けることになる。タイ監督当局は損保のサービス水準を重視しており、TGIAの取り組みは業界の自主規制として、今後のガイドライン整備にもつながる可能性がある。

枠組みでは、事故の種類や損傷度合いに応じた修理期間のベンチマークを設け、保険会社が休車損補償を評価する際の参照点を一本化する。TGIA会長のソンポーン氏は、保険会社間で同一の物差しを持つことで、査定の一貫性を高めると説明した。修理期間が想定より長引く場合でも、保険会社と修理工場、契約者の情報連携が進めば、紛争の芽を早期に摘み取りやすい。日系企業はフリート契約の更新時に、休車損や代車費用の条件が新基準にどう連動するかを確認しておきたい。制度運用の詳細は今後、各社の約款やマニュアルなどで整理される見通しだ。

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