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【デジタル】タイ商工会議所大学、2026年の有望・斜陽10業種を予測 危ない業界はネットカフェと紙媒体

タイ商工会議所大学(UTCC)の経済・ビジネス予測センターは、2026年の「有望業種」と「斜陽業種」を各10業種公表した。評価は、米国の関税政策を含む貿易摩擦、輸出動向の先行き、観光の下振れリスク、タイの政策金利の動向と海外投資資金の流入、バーツ相場、南部洪水の復旧、タイ・カンボジア国境問題、国内政治などを織り込んだもの。学内試算では、2026年のタイ経済成長率は1.6%、輸出は前年比1.0%減、インフレ率は0.50%、家計債務はGDP比84.2%と見込んだ。

また、事業環境の潮流として、ESG、健康、デジタルの重視が強まると分析。選挙に伴う資金流入は400億~600億バーツ規模に達する可能性があり、内需の下支え要因に挙げた。

有望業種の首位はクラウドサービス、サイバーセキュリティ、SNS、オンライン娯楽で評価は94.9点(100点満点)。2位はコンテンツ制作、YouTuber、レビュー・インフルエンサー、通信サービス、オンライン仲介などで94.5点。3位はEコマースと占い関連で93.7点、4位は医療・美容、アルコール飲料、短期資金、質屋、AI関連で93.1点となった。5位は物流・デリバリーや倉庫、屋台・ナイトマーケット、ペット関連(92.6点)。6位は再エネと健康美容サプリ(91.5点)、7位は投資・資産運用の助言やゲーム(90.9点)だった。8位にはEV充電設備、金融、フィンテック、決済、教育テック(90.1点)が入り、9位は保険、食品・飲料(ノンアルコール含む)、環境コンサル(89.3点)。10位はEV、航空、美容サービス、コインランドリー、自販機、スポーツ施設・用品(89.1点)と、生活密着型の業態が並んだ。なお、2025年に上位だった「ソフトパワー(ドラマ・映画)」や「イベント」「旅行・ホテル」などは、2026年のトップ10から外れた。

一方、斜陽業種はインターネットカフェと記録媒体機器(7.5点)が最下位。書店や紙媒体中心の印刷メディア(8.3~9.5点)、伝統的な雑貨店(10.2点)、繊維・衣料(11.7点)、コピー店(13.6点)など、デジタル化の遅れが響く業態が並ぶ。伝統木製家具(14.5点)、玩具店(15.5点)、写真現像店(16.0点)、中古車販売(17.8点)も低評価だった。

同センターでは、景気回復が鈍い局面ほどDX投資と付加価値化の遅れが業績差につながりやすいとして、既存業態でもオンライン対応やサービス化を急ぐ必要があると示唆している。

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