【政治】タイ汚職組織が10大ニュース発表、2月の総選挙に向け政治の透明性確保を訴える
広告

タイ反汚職機構は2025年を振り返り、国民の関心を集めた「タイの汚職10大ニュース」を発表した。
第1位には、86人の犠牲者を出した会計検査院本庁舎の崩壊事故が選ばれた。建設過程での汚職が安全管理の不徹底を招いた最悪の事例として社会に衝撃を与えた。また、13人の僧侶が関与した3億8500万バーツ規模の横領事件や、年間1150億バーツもの被害を生んでいるオンライン詐欺と公務員の癒着も深刻な課題として挙げられた。
このほか、タクシン元首相の入院待遇を巡る特別扱い疑惑や、警察内部の違法賭博サイトへの関与、国会議員による地元への予算不当配分など、政治と司法の信頼を揺るがす事案が目立った年となった。同機構は、これらの問題がタイの国際的な清廉指数の低下を招いていると警告している。
こうした中、タイは重要な政治の節目を迎えようとしている。タイ選挙管理委員会は2025年12月、下院の解散に伴い、総選挙を2026年2月8日に実施することを決定した。これに先立ち、2026年1月11日には地方行政機関の選挙も行われる予定だ。反汚職機構は、選挙を通じたクリーンな政治の実現を訴えており、候補者の選定過程の透明性や、SNSを活用した不正監視の強化を各政党に求めている。 特に、若年層の有権者が政治の公平性を重視する傾向にある中、汚職対策は各党の重要な公約として浮上。政府は公共部門のデジタル化を進め、行政手続きから人間の裁量を排除することで汚職の機会を減らす戦略を掲げているが、その実効性が試されることになる。
