【投資】2026年のタイ投資誘致政策 人材育成・サプライチェーン強化・手続き円滑化など5項目

- NESDCは、ASEANで伸びが低いタイの2025年GDP成長率を2%とし、2026年は1.2~2.2%と予測
- 2025年1~9月のBOI申請は2622件(23%増)、投資額1.37兆バーツ(94%増)でデータセンター等が牽引
- BOIは2026年の投資重点をデジタル/AI、電子、再エネ、EV、農業食品など5分野と明示
タイ投資委員会(BOI)は、2026年の投資促進方針として、経済構造の転換を見据えた5つの骨子を掲げた。タイ経済は2025年に内外の逆風を受け、国内総生産(GDP)の伸びがASEANで低位にとどまった。国家経済社会開発評議会(NESDC)は、2025年のGDP成長率を2%と見込み、2026年は年率1.2~2.2%にとどまるとの見通しを示す。
ナリットBOI事務局長は、2025年の投資申請が過去2年、増勢を維持しており、件数・金額とも過去最高水準となる可能性を指摘する。なお、2025年1~9月の投資奨励申請は2622件(23%増)、投資額は1.37兆バーツ(94%増)で、データセンター、半導体、電子・スマート家電、再生可能エネルギー発電、車両・部品など大型案件が押し上げた。
投資の追い風としてBOIは、(1)地政学的対立を背景とした生産拠点移転、(2)デジタル・AIの急伸に伴うデータセンターやAIインフラ投資の加速、(3)持続可能性・脱炭素に向けたグリーン投資の拡大、(4)高齢化に伴う省人化・自動化投資の増加―を挙げた。その上で2026年に投資が厚くなる分野として、デジタル/AI(データセンター、クラウド等)、電子・電機(半導体の組立・試験、PCB等)、再生可能エネルギー発電(太陽光、風力、バイオマス等)、EV(BEV、PHEV、HEV、MHEVと部品)、農業・食品(加工、飼料、抽出物、バイオ製品等)の5分野を示した。
BOI方針の5つの骨子であるが、具体的には、(1)重点産業への投資誘致(BCG、EV、電池・重要部品、半導体・先端電子、デジタル/AI、国際ビジネス拠点など)、(2)高度人材の誘致(BOIビザ、LTRビザ、SMARTビザなど)、(3)タイ人材育成(競争力強化基金を通じた研修支援。申請100社超、研修1000超、受講見込み目標10万人超。承認は2026年1月以降順次)、(4)サプライチェーン強化(Subcon Thailand、THECA、Sourcing Day等で外資とタイ部品企業の連携を促進し、合弁やローカルコンテンツを後押し)、(5)投資手続きの円滑化(Thailand FastPassの運用、関係機関とのSLA策定、電力・クリーン電力や用地、ビザ・就労許可などの障害除去)となる。
FastPassは12月11日の理事会で第1弾16案件(投資総額1700億バーツ超)を選定し、工場局、工業団地公社、環境政策計画局、税関などとのSLA締結を急ぐ。EV分野では、EV3/EV3.5の見直しやHEV/MHEVの促進手順を12月9日の閣議に上程済み。また、海外投資誘致は、11月下旬に東京、12月に上海で実施しており、年初は1月に欧州、2月に中東、3月に香港でロードショーを行う予定。
