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【経済】タイ財務省、VAT8.5%へ段階引き上げ提案 「Ari Score」も本格推進

  • タイ財務省は歳入強化に向け、付加価値税(VAT)を現行の7%から段階的に引き上げ、2030年に10%とする改革案をまとめた。
  • 増収分の一部は、国家福祉カードへの給付上乗せや生活費負担の軽減措置に充て、増税に伴う低所得者層の生活への影響を緩和する。
  • 徴税データ等を統合した基盤を構築し、独自の信用スコアを活用することで、小口借り手が正規金融を利用できる仕組みを推進する。

タイ財務省が新政権に向けた税制改革案をまとめ、付加価値税(VAT)の段階的引き上げを提案する方針を明らかにした。

財務事務次官は2026年の経済成長率を2%と見込みつつ、為替変動への警戒と、下院解散に伴う2027年度予算編成の遅れが懸念材料になると指摘。特に2026年1〜3月は暫定政権となり、予定していた施策を実行しにくい局面だとした。ただ、その一方で総選挙が景気を支える要因になるとの見方も示した。

税制改革は歳入基盤の強化が狙いで、2027〜2030年の中期財政枠組み(MTFF)に沿って、VATを現行7%から1.5ポイント引き上げて8.5%とし、2030年に10%へと引き上げる案を盛り込む。タイのVATは法定税率が10%である一方、実効税率は時限的措置で7%に抑えられており、2025年10月1日から2026年9月30日まで7%を維持する可能性が高い。なお、財務省は弱者支援策も用意しており、増収分の一部を国家福祉カードに上乗せする。例としてVAT増収が1000億バーツなら200億バーツを福祉カードに回し、残りを生活費負担の軽減に充てる考えだ。

あわせて財務省は、複数機関の情報を連結する大規模データ基盤「データレイク」を推進し、政府支援の代替信用スコアであるAri Scoreの活用を急ぐ。3つの徴税部局のデータなどを統合し、信用履歴が乏しい小口の借り手でも公的データに基づいて審査し、正規金融へのアクセス窓口を広げる。これは、非正規の高金利融資に頼る必要を減らすのが狙いで、財政改革と同時に家計の資金繰りを支える仕組みとなる。

タイ中央銀行(BOT)は景気の減速を背景に政策金利を1.25%へ引き下げ、2026年の成長率を1.5%と見込む。なお、2025年初来ではバーツが対ドルで約9%上昇し、輸出競争力を弱める要因となった。

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