【不動産】タイ首都圏コンド市場、2026年も在庫消化優先、中国勢頼みに続く新規供給抑制

- 2026年は在庫消化が中心。2025年は発売1万6408戸、10~12月期3100戸、新規は1万5000戸未満に抑制する見通し
- 単価は10万バーツ超に集中し20万バーツ超も増加。低価格帯は融資否決多いため立地を選別し、供給は販売速度が見込める場合に限定
- 外国人への初球兼移転は2023年以降四半期平均3300-3900戸で安定、中国勢が主因。開発会社は直接販売や一括販売で取り込む構えだ。
- 家計向け融資残高は2025年4~6月期GDP比90.7%、購買力回復遅れが重荷。政治不透明と景気刺激策不足で慎重が続く見通し。
タイ首都圏の分譲マンション市場は2026年も低調が続き、開発各社は新規発売より完成在庫の消化を優先する方針のようだ。Cushman&WakefieldThailandによれば、2025年の新規発売は1万6408戸にとどまり、特に10~12月期は3100戸と前期から約半減した。発売は都心部の高価格帯に寄り、1平方メートル当たり10万バーツ超の物件比率が上昇。20万バーツ超も増えているという。
タイ国内は実質賃金の伸びが弱く、家計向け融資残高は2025年4~6月期にGDP比90.7%と高水準、購買力の回復も遅い。銀行の融資審査厳格化により住宅ローンの否決も多く、低価格帯は販売速度が見込める立地に限り計画する。
需要を下支えするのは外国人であり、とくに中国勢が中心だ。外国人のコンド所有権移転件数は2023年以降、四半期平均3300~3900戸で推移し、流動性を保ってきた。ただ、開発各社は2026年の新規発売を1万5000戸未満に抑えつつ、売れ行きの早い低層住宅へ軸足を移す考えだ。位置選定では自社データを使い、同一エリアでの重複発売を避ける。維持費がかさむ共用施設は絞り込み、コスト管理と利幅確保を徹底する。
国際的不動産コンサルティング会社「CBRE」は都心で超高級案件が続き、100戸未満の小規模開発も増えるとみる一方、郊外では交通結節点や大学、病院周辺など需要が読める場所に限定すると発表した。 2025年は景気の鈍さに加え、追加の景気刺激策が見えにくく、政治情勢も投資判断を遅らせた。観光は中国客の回復で持ち直しが期待されるが、ベトナムなど近隣国との競争は激化している。多くの開発会社は引き渡しを急ぐため値引きや薄利もいとわず、完成物件の販売を優先してきた。新規の分譲は一段と選別され、差別化した設計やホテルブランドの採用で単価を押し上げる動きが広がる。家計債務の重さと融資否決率、政局の不透明感が2026年の最大リスクとなる。
