【物流】タイ・カンボジア国境紛争で物流混乱、日系企業の調達と生産にも影響
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- 国境紛争により在タイ日系企業で物流遅延とコスト増が顕在化している
- 商工会議所調査では物流遅延29%、コスト増24%と高い影響が示された
- 海上輸送や第三国経由への切り替えで対応する企業が増えている
- 国境情勢の長期化を見据え供給網の再構築が課題となっている
2025年後半に発生したタイ・カンボジア国境紛争の影響で、在タイ日系企業が物流や生産面で大きな制約を受けている。バンコク日本人商工会議所が公表した景況感調査によると、国境閉鎖に伴う輸送の遅延やコスト上昇が企業活動を直撃していることが明らかになった。
同調査は1971年から年2回実施されているもので、在タイ日系企業の事業環境を示す代表的な指標とされる。2025年後半分は11月25日から12月16日にかけて実施され、会員企業1677社に調査票を配布し、521社が回答した。回答率は31.1%であった。
影響として最も多く挙げられたのは、陸路国境の閉鎖による物流リードタイムの長期化で、回答企業の29%が指摘した。次いで物流コストの上昇が24%、生産、調達、販売の減少が19%と続いた。特にカンボジアを経由した部材調達や完成品輸送を行っていた企業では、操業計画の見直しを迫られる例が増えている。
企業側の対応としては、海上輸送への切り替えが23%と最も多く、ラオスやベトナム経由での陸路輸送への変更が14%を占めた。また、カンボジア関連の取引や事業から撤退、もしくは縮小したと回答した企業も11%に上った。航空輸送の活用も一部で進んでいるが、コスト負担の増加が課題となっている。
商工会議所側は、現時点でも多くの日系企業が代替ルートを模索しながら操業を継続していると説明。国境情勢の不透明感が続く中、調達先の分散や在庫水準の引き上げなど、中長期的なサプライチェーン再構築が重要な経営課題として浮上している。
