【貿易】 タイ米農家の収入に暗雲 USDA需給報告が価格低迷と作付け減少を示す
広告

米国農務省(USDA)が4月に公表した「Rice Outlook: April 2026」により、世界の米需給がタイ農家の収入にとって厳しい環境を示していることが明らかになった。タイには約468万世帯、2000万人(労働者の家族含む)が稲作に従事もしくは依存しており、米の国際市況の動向がそのまま農村部の購買力と内需に直結する。
目次
世界供給は過去最高水準、価格は低迷
2025/26年の世界の米生産量は精米換算で5億4140万トンと前月予測から小幅増加し、期末在庫は1億9230万トンと前月比80万トンの上方修正となった。インドが前月比で輸出予測を引き下げる一方、世界貿易量は6210万トンと過去最高水準を維持する見通しだ。タイの100%グレードB白米の国際価格は3月中旬から4月初旬にかけて1トン当たり388米ドルと小幅上昇したものの、インドの同5%砕け米は340ドルと4カ月連続で下落、パキスタンも345ドルと軟調が続いている。競合国の価格競争力が増すなか、タイ米の相対的な割高感が輸出の足かせとなりかねない。
作付け面積の縮小と洪水被害
タイ国内では、農家が受け取る価格の魅力が乏しいとして、2作から1作への転換や、より収益性の高いサトウキビへの転作が進んでいる。農業経済局(OAE)の推計では、2025/26年の主作期における作付け面積が予測段階からすでに縮小傾向にあり、北部の主要産地では洪水被害による浸水・生育障害も記録された。また、タイ商務省が設定した2026年の米輸出目標は700万トンで、前年比で微減の水準にとどまっている。
