タイ警察長官 入院中のタクシン元首相の治療内容説明を病院に求める
バンコク中心部の警察病院特別室に入院中のタクシン元首相について、トーサク警察庁長官は10月17日、同病院に対し、どのような医療サービスを提供しているかを報告するよう指示した。
先ごろ、病衣姿でマスクをつけた元首相がベッドに横たわったまま、CTもしくはMRI検査を受けるために娘や医療スタッフに付き添われて移動中とされる写真がネット上に出回ったことから、「元首相の重病説を裏付けるために意図的に公開された写真ではないか」といった疑惑の声が出ていることによるものだ。
元首相は8月22日に15年ぶりに帰国して逮捕され、その日のうちに最高裁から禁錮8年を言い渡されて収監されたものの、その夜に体調不良を訴え、設備の整った医療機関に移る必要があるとの理由で、すぐに警察病院に入院することになった。その後間もなくして元首相の刑期は恩赦で1年に減刑された。
だが、「帰国して空港でマスコミの前に姿を見せた時はすこぶる元気そうだったのにおかしい」「当局との間で『重病という理由での特別待遇提供』が以前から決まっていたのではないか」といった批判的な声が出ている。元首相の症状を明らかにせよとの求めも出ているが、当局は今のところ個人情報、プライバシーを盾に回答を拒んでいる。