最大野党・前進党が解党なら「民主主義の後退」 上院議員から憲法裁権限縮小を求める声
昨年5月の総選挙で最多議席を獲得した最大野党・前進党は、選挙運動中に不敬罪を規定した刑法112条の改正を公約に掲げたことが「王制転覆の試み」と判断され有罪となった。これに伴い中央選挙管理委員会が同党の解党を憲法裁判所に請求しており、「有罪=解党処分」となる可能性が高いとみられている。
一方、これに対し、複数の上院議員から「タイの民主主義を後退させることになる」といった懸念の声が上がっている。その一人、ナンタナ議員は、前進党の解党について「タイ国民からだけでなく、国際社会からも懸念の声が上がっている」と指摘する。タイでは不敬罪が存在し、最高刑が禁錮15年であることに諸外国から否定的な意見が発せられている。
ナンタナ議員はさらに、憲法裁判所に政党の解散といった政治状況を大きく変える権限が付与されている現在の状態は好ましいものではなく、これを改めるために上院が声明を発表するのが望ましいと指摘。このため、同議員はその実現を同僚議員に働きかける予定とのことだ。