プームタム暫定副首相の国防相就任に上院議員が反対意見 タイ共産党参加の過去を問題視
ペートンタン首相が党首を務めるタイ貢献党の重鎮で、現在暫定副首相を務めるプームタム氏(70)は間もなく誕生する新政権の副首相兼国防相に就任する見通しだが、これについてソムチェート上院議員はこのほど、プームタム氏が1970年代に非合法政党・タイ共産党に参加していたことを理由に同氏の国防相就任に問題があるとの見方を示した。
タイも過去に学生運動が盛んな時期があり、1976年10月には国立タマサート大学で民主化を求める左派系学生など数百人が右派系勢力に襲われて死傷する「血の水曜日事件」が起きたことなどから、大勢の学生が反政府活動に参加すべくタイ共産党が拠点とするジャングルに逃げ込むことになったが、プームタム氏もその1人だった。 ソムチェート議員は、「政府は1976年10月にジャングルに逃げ込んだ同士を国軍を統括する国防相に起用しようとしている」と批判。これに対し、国立チュラロンコン大学卒業のプームタム氏は、「私が国防相になれるかどうかはペートンタン首相次第だが、仮に私が国防相に就任してもソムチェート議員には心配はかけない。私は当時の社会で起きていた暴力的出来事を避けるためにジャングルに入ったが、私だけでなく、ほかの大学の学生もそうすることを選んだ。その後、プレム政権の宥和政策で反政府活動に加わった学生などの社会復帰が許されることになったが、それ以降、私は(タイ共産党の活動には)一切関わっていない」と強調した。