タイ憲法裁判所 タイ国家維持党に解党命令 タクシン元首相派に打撃
タイ憲法裁判所は3月7日、タクシン元首相を支持するタイ国家維持(タイラクサーチャート)党に対し解党命令を下した。
同党は首相候補として、ワチラロンコン国王陛下の姉であるウボンラット王女殿下を擁立したが、政治の上位に位置する王室を選挙に利用することは立憲君主制に対する敵対行為に当たるとされ、政党法違反容疑で中央選挙管理委員会が憲法裁に解党を求めていた。
今回の決定により同党の役員は今後10年間、政治活動が大きく制限されることになった。
タクシン元首相を支持する最大の政党はタイ貢献(プアタイ)党であるが、今回、小選挙区でタイ国家維持党とタイ貢献党の候補者が被らないよう配慮。タクシン派の作戦としてはタイ貢献党が小選挙区、タイ国家維持党は比例代表区で最大限の議席を獲得する狙いだったが、この戦略が総選挙本番を目の前にして崩れることとなってしまった。
タクシン派政党が憲法裁により解党命令を受けるのは、2007年のタイ愛国党、08年の市民の力党に次ぐ3回目となる。