「トラート県クート島はタイ領」　海洋資源開発めぐる野党の批判に対し首相、内相が明言

タイ湾に面し、カンボジアに接するタイ東部トラート県クート島の領有権を巡って一部で懸念がわき上がっている中、ペートンタン首相はこのほど、クート島はすべてタイ領であると明言した。

この島の領有権については、タイ政府が2001年にカンボジアとの間で取り交わした覚え書きに基づいて、両国が領有権を主張する海域でカンボジアと共同海洋資源開発を進めようとしていることから、野党側が「覚え書きの添付地図ではクート島の南半分がカンボジア領となっており、（覚え書きを認める形で共同開発を行えば）この領域についてタイがカンボジアの領有を認め、タイは領有権を失うことになる」と指摘し反対しており、政府側が弁明を余儀なくされている。

ペートンタン首相は、「クート島がタイ領であることに疑問の余地はない」としながらも、「覚え書きを無効とするにはカンボジアの同意が必要で、一方的に破棄することはできない」としている。

クート島については、アヌティン副首相兼内相も、「内務大臣の私が間違いなくタイ領であることを確認している。島はトラート県に属する郡のひとつであり、住民もタイ人である」と述べている。