タクシン元首相服役時の特別扱い疑惑 憲法裁が証拠不十分として訴えを棄却
憲法裁判所は12月18日、「当局の計らいでタクシン元首相が刑務所でなく警察病院の特別室に入院するという形で服役することが許可されたのは不当」とするコンデチャー弁護士の訴えを証拠不十分と判断して棄却した。
タクシン氏は2006年にニューヨーク滞在中に軍事クーデターで首相の座を追われ、首相在任中の汚職などの罪に問われることになった。一度はタイに帰国して裁判に臨んだものの、判決が出る前に国外逃亡。昨年8月末に15年ぶりにタイに帰国した。すぐに有罪判決が言い渡されたものの、タクシン氏は収監されたその日の夜に体調不良を訴えて警察病院に緊急搬送され、そのまま同病院の特別室で刑期を全うし、刑務所に戻ることはなかった。
これについては、「最初から決まっていた筋書き」「あからさまな特別扱い」といった批判が出ており、タクシン氏の診療記録の開示を求める意見もあったが、政府は個人情報は勝手に開示できないとして要求を突っぱねている。
コンデチャー弁護士は訴えの中で、タウィー法相、矯正局長、刑務所長らがタクシン氏への不当な特別扱いを容認したとして、その責任を追及すべきと主張していた。