憲法改正案を審議する上下両院の合同会議 定足数不足で流会 政権党議員多数が欠席
2014年の軍事クーデターで誕生した軍政のもとで制定された現行の2017年憲法の改正案は2月13日に上下両院議員の合同会議で取り上げられる予定だったが、出席議員が少なく定足数に足りず、流会になった。欠席したのは中核与党・タイ貢献党の議員などで、同党が同案否決を阻止すべく意図的に改憲案審議を中止に追い込んだものとみられている。この会議は、下院議員500人と上院議員200人の半数以上が出席すれば、審議が行えるはずだった。
また、与党第2党・タイ威信党の議員は会議開始前に議場から退出したが、これについてアヌティン党首は、憲法裁判所が2021年に「憲法をすべて書き換えるためには憲法起草前に国民投票を実施する必要がある」との判断を示しており、これに反しないようにしただけで、貢献党主導の改憲の動きを妨害しようとしたものではないと説明している。
なお、貢献党などの軍政に批判的だった勢力は、軍政のもとで制定された現行憲法の全面的な書き換えを以前から強く要求している。