ミャンマー国内の特殊詐欺組織潰し作戦で外国人約1万人が救出か タイ警察が見通し
タイ国境に近いミャンマー領内で特殊詐欺を働いていた中国系犯罪組織が、タイ側からの電力や燃料などの供給が停止されたことで活動継続が困難となり、これら組織のもとで特殊詐欺に荷担させられていた者など大勢の外国人が続々とタイ側に渡っている。
この状況について、タイ警察庁人身売買対策センター所長のタッチャイ警察大将はこのほど、ミャンマーに存在する特殊詐欺目的のコールセンターから助け出される外国人は1万人に上るとの見通しを示した。
外国人の中には騙されて詐欺に荷担させられていた者のほか、自ら進んで特殊詐欺を働いていた者も含まれると報じられている。タッチャイ警察大将は、「タイは補助的な役割しか果たしていない。彼ら(外国人)が被害者であることがハッキリし、人身売買・詐欺組織に法的措置を執りたいのであれば、ミャンマー当局に対し法的手続きをとる必要がある」と説明している。
また、ミャンマー領内の特殊詐欺拠点から続々と外国人がタイに出てきていることを受け、中国政府が役人をタイに派遣したことに対し、一部で「中国はタイの頭越しに問題解決を図ろうとしている」といった批判意見が出ている。この指摘についてプームタム副首相兼国防相は2月17日、「中国の役人がタイを訪れたのは、犯罪組織に対する3か国(ミャンマー、タイ、中国)の共同作戦の一環である」と述べ、中国が独走しているとの見方を否定した。