ナレスアン大学が不敬疑惑の米国人講師を解任 弁護士団体が強く抗議
タイ中部ピサヌローク県にある国立ナレスアン大学で講師を務めていた米国人男性ポール・チェンバース氏が先ごろ、不敬の疑いで起訴されたが、検察が起訴を取り下げた。にもかかわらず、大学当局が同氏との雇用契約を破棄したことについて、タイ人権弁護士会(TLHR)はこのほど、大学側の対応が不当だとして契約破棄を撤回すべきだと表明した。
同氏は陸軍第3管区司令官から訴えられて起訴されることになったが、これについては、同氏によるタイ軍の研究が軍幹部の不興を買ったことが原因といった見方が出ており、また、タイと米国の貿易交渉への影響を懸念する声も出ていたこともあってか、検察はしばらくして嫌疑不十分を理由に起訴を取り下げた。
だが、ナレスアン大学の学長代行であるパヌ副学長は同氏との雇用契約の破棄を決定。このためTLHRでは、「雇用契約を破棄することは学長代行の権限には含まれず、越権行為」と非難。同氏も大学当局に雇用契約破棄を撤回するよう求める文書を提出している。