1万バーツ給付プロジェクト延期決定 首相「米関税政策が理由。不可抗力」と釈明
タイ政府の目玉政策である1万バーツ給付プロジェクトの第3弾を延期すると決めたことについて、ペートンタン首相は5月20日、「政府がいくら努力しても排除できない障害が生じたという不可抗力によるもので、1万バーツ給付を先延ばしする以外に選択肢はなかった」と釈明した。
先ごろ米大統領に就任したトランプ氏が保護主義に偏重した貿易戦略を打ち出したことの影響が各国に広がっており、タイも政策変更を余儀なくされることになった。
今回の政府の決定に関しては、中核与党・タイ貢献党が一昨年5月の総選挙の際に発表した公約の具体化に失敗したとする批判が出ているが、首相は、第1弾と第2弾でこれまでに福祉カードを持つ人々、身障者、60歳以上の人々などに1人当たり1万バーツが給付されていると反論した。 また、1万バーツ給付の第3弾用の予算1570億バーツはすでに中央予算から拠出することが決まっていたものの、政府は20日の閣議でこの資金の割当先を1万バーツ給付スキームから開発・投資プロジェクトに変更するのを承認したという。