タイの警官による台湾人女優恐喝事件 被害者が詳細明かす
今年1月初めに台湾人女優のシャーリーン・アンさん一行がバンコクで警官に2万7000バーツをゆすり取られた問題で、シャーリーンさんに同行していたシンガポール人男性(29)が2月1日、バンコク都内のホテルで、同ホテルのオーナーでもあるチュウィット元下院議員と一緒に記者会見を行い、警官に恐喝された様子を事細かにほぼすべてタイ語で説明した。
チュウィット氏の求めに応じてタイを再訪したこの男性によれば、1月3日夜、シャーリーンさん一行はスクンビット地区のレストランで誕生パーティーをした後、シャーリーンさんと男性ら3人がタクシーでホワイクワン地区に向かった。その途中、中国大使館近くの警察の検問でタクシーが止められ、警官からパスポートの提示を求められた。しかし、男性はその時、パスポートを所持しておらず、また、タイでは違法とは知らずにバンコク都内で購入した電子タバコ3本を所持していた。
これに対し、警官は電子タバコ1本につき8000バーツ、パスポート不携帯3000バーツ、すなわち8000×3+3000バーツの計2万7000バーツの罰金を払わなければ留置場に2晩入ることになると脅し、その場で要求額を払うよう求めたという。
男性は留置場に入るのがいやで、その場からすぐに逃げ出したかったので所持していた現金3万バーツをすべて差し出したところ、警官がそのうち2万7000バーツを懐に収めるとタクシーを呼んで男性ら一行をホテルまで送るようタクシーに指図したという。男性によれば、警官は現金を受け取るまで一行が携帯電話を使ったり、その場から離れたりするのを許可しなかったとのことだ。
チュウィット氏は20年ほど前に特殊浴場の経営者から政界に転じた裏社会をよく知る当時話題の異色政治家。最近では中国系犯罪組織の存在や警察絡みの不正を暴露するなどして再びマスコミを賑わせている。