ひき逃げの富豪御曹司 事故時に麻薬使用も担当警官が手心か
「レッドブル」創業者の孫、ウォラユット氏が2012年に起こした交通死亡事故で検察が先に同氏を訴追しないと決めたことが問題となっているが、事実関係を解明すべく下院委員会が7月30日、関係者から聞き取りを行った。
同委員会の広報担当者によれば、「委員会でこの事故を扱った警察官は、検査でウォラユット氏がコカインなどの麻薬を使っていたことが判明したものの、歯科医がウォラユット氏の歯の治療に麻薬を使っていたと証言したことから罪に問わなかった」と説明したという。
同氏は酒を飲んだうえに麻薬を使ったため血液検査で麻薬の成分が検出されたとされているが、これまでのところ警察はこの件について詳しい説明を行っておらず、検出された麻薬が歯の治療のためだったことを裏付ける医学的な説明もないという。
関係筋によれば、麻薬の件も捜査当局が当初から同氏の罪を軽くすべく捜査に手心を加えていたことを示すものとのことだ。
このほか、国家汚職制圧委員会(NACC)のワラウィット事務局長は30日、検察が訴追しないと決めたことについてNACCが捜査する用意のあることを明らかにした。