富豪御曹司のひき逃げ事件 証人が事故死 首相が検視を指示
レッドブル創業者の孫、ウォラユット氏が2012年に高級外車を運転中にオートバイの警察官をはねて死なせる交通事故を起こしたものの、検察が先に同氏を訴追しないと決定したことに「金持ちを特別扱い」といった批判が殺到、大きな問題となっているが、トライスリー政府副報道官は8月2日、ウォラユット氏が運転していた車について「さほどスピードは出ておらず、時速70キロくらいだったと思う」と証言し、先に北部チェンマイ県で交通事故に遭って死亡した男性の遺体の検視を行うようプラユット首相が関係当局に指示したことを明らかにした。
この男性の証言が不起訴決定につながったとされるが、事故発生から8年も経過した今になってなぜ不起訴なのか、また、重要な証言をした男性のこのタイミングでの事故死に「口封じ」を疑う声などが出ていることから、首相が事実関係や死因を解明すべく改めて検視を行うことを決めたものという。
男性の葬儀は2日に北部チェンマイ県で執り行われたが、当局が遺体の引き渡しを要請し、遺族がこれに応じたという。男性は7月30日午前2時ごろ、飲食店で飲酒したあとオートバイを運転中に別のオートバイとぶつかって道路に投げ出され重傷を負って死亡したとされる。
なお、ウォラユット氏の運転していたフェラーリについて、事故直後も専門家による鑑定では「時速177キロほど出ていた」との結果も出ていた。